1月18日19日の両日に九州の神楽シンポジュウム2020が宮崎市のメディキット県民文化センターにおいて開催され、日程2日目の19日に桂神楽を奉納することになりました。
桂神楽は近隣の神社の祭日には奉納することがあっても、村外で公演することはない神楽ですので、決定するまでに多少の葛藤がありました。
少なくとも神楽は神に奉納するものであって、人に見せる演芸ではないまさに神事(かみごと)で、お祭りの一部であることを古老から言われ続けていて、現在もその通りだと認識しているからです。
たまたま今回のシンポジウムに参加することになったのが、本年2月15~16日に平成から令和の御代に元号が変わった奉祝の大神楽を奉納することになり、練習過程での調整のとほしゃこの意識高揚もあってのことでした。
桂神楽は大願成就の時にしか舞われない神楽なので、不定期に開催され演目の習得にもかなり時間を要するからです。
最近では記録媒体が発達してきていますので、形は残せていますが記録には残せない神楽人としての根底にあるものが引き出せないと、真の神楽の姿にはなりません。
そこのところは、長年にわたり調査研究をしていただいた、先生方の努力により少しづつ芽吹いてきていますが、非常に難しい部分でもあります。
また、保存継承者の減少も例外ではなく、今まで神楽を牽引してきていただいた師匠さん方にも、現在の姿を見ていただく機会と捉えたことも一因となっています。
今回演目を決定するに至ったのも、どこの他団体も限られた時間で披露するのが「剣の舞」や「面舞」が多くみられる(※そこの神楽を代表するものだからでしょうが)ことから、普段では目にすることのない神楽を披露したいことがありました。
ただ「しば入れ荒神」・「みかさ神楽」の両演目は、ほしゃこほぼ全員の参加となり、「みかさ神楽」に至っては着物の着付けをお手伝いする女性陣にも参加してもらう必要があり、多くの人の労力を費やす大事業となりました。
ともあれ、不安だらけで迎えた当日でしたが、無事に終えて一つ肩の荷が下りた感じがします。
※ 画像は國學院大學の小川直之氏facebookより掲載させていただきました。