恵方

昨今、節分前になると、TVCMやいろんなメディアにグローバルな脳が感化され、「恵方巻き」なるものを伝統行事のように買い求める季節がやってきます。


これほど国民的な行事のように仕掛けた側は、してやったりでしょうかね!


ところで恵方って?

恵方巻きを無言でかじるって、うちのじいちゃんばあちゃんから聞いたことないぞ?


恵方巻きは、近畿地方の一部で行われていた近年の習慣で、商魂たくましく宣伝したことから全国に広まった習慣です。

それはバレンタインデーやクリスマス、最近ではハロウィンなど、本来の宗教的・伝統的行事からかけ離れた日本独特の商業ベースに乗ったものとよく似てます。


【Wikipedia参照】

そもそも恵方とは陰陽道で、その年の福徳を司る神である歳徳神(としとくじん、とんどさん)の座する方角の事です。年徳、歳神、正月さまなどとも言う。

歳徳神の在する方位を恵方(えほう、吉方、兄方)、または明の方(あきのかた)と言い、その方角に向かって事を行えば、万事に吉とされる。本命星と恵方が同一になった場合は特に大吉となる。しかし、金神などの凶神が一緒にいる場合は凶方位になる。


近年、関西を中心として立春の前日の節分の日に恵方を向いて「太巻きの丸かぶり」が行われる事がある。これを恵方巻の風習として2000年頃から日本各地で宣伝やキャンペーンを開始するにあたり、日常的な16方位による簡便な説明をしており、甲とすべき所を「東北東」、丙とすべき所を「南南東」と言い換える例が多くなっている。甲・丙などといった方角表記になじみがなくなってきたためともされるが、これでは方角が正しくない。たとえば甲は東から北よりに15°だが、これは東北東(同じく22.5°)より7.5°東である。なお32方位で表した東微北(同じく11.25°)よりは3.75°北である。しかし、巻き寿司にこだわらない人がいるように、正確な恵方にこだわらない人や正しい方角を知らない人もいる。




上記の参照のように恵方とは各家の歳徳神が座する方角の事です。

我が家では、今でも年末に神棚や家の大掃除をして、翌年の恵方にしめ飾りを行い一年間の家族安泰を祈願するのです。


節分と言う節目に恵方に祈念すること自体はなんら否定するものではありませんが、ある時期から突然恵方巻きをかじることが、あたかも伝統的な風習であることを、当たり前のように思ってしまう風潮はいかがなものかと思っています。


宗教感の相違はあるにしても、地域の伝統行事が廃れてきて、商業ベースの習わしに溺れてしまう最新のライフスタイルが、伝統だと誤解があってはならないと思います。




以下に恵方巻きについての参考サイトをリンクしておきます。


参照サイト→http://allabout.co.jp/gm/gc/220582/


恵方巻きの始まりの話が数多く存在しますが、それらの情報を時系列でまとめると次のようになります。


●大正初期……大阪の花街で、節分の時期にお新香を巻いた海苔巻きを恵方に向かって食べ、縁起を担いだ。


●1932年……大阪鮓商組合が「節分の日に丸かぶり ~この流行は古くから花柳界にもてはやされていました。恵方に向いて無言で壱本の巻寿司を丸かぶりすれば其の年は幸運に恵まれる」と書いたチラシを配布。当時のチラシが「本福寿司」(大阪中央区)に残っています。


●1973年頃……大阪海苔問屋協同組合が「節分の夜、恵方に向かって無言で家族揃って巻き寿司を丸かぶりすると必ず幸福が回ってくる…と昔から言い伝えられています」と書いたチラシを、寿司屋に海苔を納める時に配った。当時は大阪のデパートでも「2月3日 幸運巻き寿司売り出し」と宣伝販売されていたらしい。


●1977年……海苔業界による街頭イベント「海苔祭り」が大阪・道頓堀で開催され、「節分の丸かぶり」を取り入れた「巻き寿司早食い競争」が行われた。これがマスコミに取り上げられて全国に知れ渡ったのをきっかけに、全国主要都市の「海苔祭り」でも宣伝されるようになる。



「恵方巻きを知っている方へ~いつ頃からこの風習をご存知ですか?」(調査実施は2005年です)

今年知った:7%

昨年知った:8%

2~3年前:28%

4~5年前:18%

6~10年前:13%

それ以前:25%

無回答:1%

コンビニでの販売エリア拡大による宣伝活動が大きく影響しているのがわかります。 ●1989年……広島のセブンイレブンが恵方巻きの販売開始。翌年より販売エリアが広がり、95年には関西以西の地区、98年には全国エリアで販売するようになる。


こうした流れに伴い宣伝活動も活発になり、様々なお店やメディアでも取り扱われるようになったため、恵方巻きの認知度も拡大しています。


我が家の伝統行事として昔から恵方巻きに親しんでいる方もいらっしゃいます(主に大阪を中心とした近畿地方)。しかしそれ以外の場合は、ある日突然食卓に登場し、節分の主役の座を射止めるケースが多いのです。


その理由のひとつが、家庭行事を仕切る主婦のハートをつかんでいるということ。太巻き1本を丸かじりするわけですから、もうそれだけで満腹。さらに邪気を祓うということで鰯が食卓にのぼる家庭も多く、献立が成立してしまいます。市販のものを購入する後ろめたさもなく、主婦にとっては嬉しい限りなんですね。豆を撒いて掃除する手間を考えればなおさら楽なので、節分の行事として積極的に取り入れたくなる気持ちもわかります。


それから、ゲーム感覚で楽しめるところがウケるんですね。さすがは大阪発祥!また、現在の住宅事情では豆まきをするのも容易ではありませんし、一緒に楽しめる人(特に子供)がいないとやる気もおきないようです。



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